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【2008.06.20】
田島祇園祭(南会津町)//豪華絢爛な七行器行列//
室井強さん
大切に保存したい
  田島祇園祭は慶長年間の歴史資料などから、中世以来のしきたりをほとんど変えることなく伝えられてきたことが分かっている。氏子らが御党屋制度のもとに守り続けてきた伝統は、その民俗学的価値を高く認められている。
 田島祇園祭おとうや行事保存会長で同祭神社総代会長の室井強さん(79)は「祇園祭の中には戒律があり、昔から社会モラルの維持と向上につながってきた。大切に保存していきたい」と話す。
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裃(かみしも)を着た男性や花嫁姿の女性が古式ゆかしく練り歩く七行器行列 田出宇賀、熊野両神社は会津田島駅から徒歩5分。国道289号バイパス沿い

  起源には諸説ありその一つに、鎌倉時代の文治年間、領主の長沼五郎宗政が居城とした鴫山城の城郭鎮護のために防疫神の牛頭(ごず)天王を祭ったことが始まりとされる。1603(慶長8)年、長沼盛実が京都八坂神社に準じた祭礼を取り入れ、祭りの決まりを定めて現在の祇園祭に至ったと伝わる。
 神事を行う主体が神社ではなく「御党屋(おとうや)組」と呼ばれる氏子の集団である点がこの祭りの特徴。1981(昭和56)年、「田島祇園祭のおとうや行事」として国重要無形文化財に指定された。
 御党屋組は旧田島町中心部の町並みを区切って組分けされ現在は12組。当番御党屋組は組代表の「党本」を中心に正月の「御党屋御千度参り」に始まる祭事一切を取り仕切る。毎年7月22日から3日間行われ、目抜き通りに4台の大屋台が登場、屋台上で地元の子どもたちが子供歌舞伎を演じる。子供歌舞伎は明治時代に途絶えたが94年、約120年ぶりに復活した。
 本祭りの23日は、氏子が田出宇賀、熊野両神社の神前に供物を献上して神の渡御(とぎょ)を請う七行器(ななほかい)行列、神輿(みこし)渡御などが行われる。花嫁姿の女性らが行列をつくる七行器行列は豪華絢爛(けんらん)で、沿道は見物客でにぎわう。24日は神社で太々御神楽が奉納される。御神楽は江戸時代、郡山市の安積国造神社から伝習したとの記録が残る。
 

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