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【2008.06.24】
代畑の汗かき地蔵(中島村)//住民慕う神秘的な存在//
小室康彦さん
◆保存活動続ける
  中島村長の小室康彦さん(73)は代畑地区の出身。「(代畑の汗かき地蔵は)昔から住民の信仰が厚く、地域で大事にしようとする気持ちが強い」と紹介。汗かき地蔵が安置されている場所には空き地があり「広場がなかった時代、遊び場として子どものよりどころになっていた」と振り返る。
 「この地蔵をみんなが大事にすることが村の安泰につながる。今まで以上に、これからも保存活動を続けていきたい」と話す。
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異変が起きそうになると汗をかき知らせる、と伝えられている代畑の汗かき地蔵 東北道矢吹ICから東へ車で約25分、JR矢吹駅から東へ同約25分

  中島村代畑地区のお堂の中に安置されている座像の石地蔵。赤褐色で高さは約170センチ。背中には地蔵の建立年を表すかのように「建武2年」(1335年)と刻印されている。「何か事変が起きそうな際には、地蔵の5体から汗が噴き出す」との言い伝えから「汗かき地蔵」と呼ばれるようになったとされている。
 1975(昭和50)年3月25日、村指定文化財第1号に認定された。毎年4月には「代畑地蔵まつり」が開かれる。地区住民が、のぼり旗を立てたり食事をしたりして、地蔵に無病息災などを祈願する。
 汗かき地蔵はどうやって現在の場所に安置されるようになったのか、村に残るエピソードはさまざま。
 代畑地区の住民によると、地蔵は同地区を流れる泉川で見つかった、との言い伝えがあるという。かつて泉川には大きな穴があり、河川改修で完全に埋められたしまったが、穴は「地蔵が生まれた場所」とされていた。
 地蔵を見つけた住民は、地区の守り神にしようと地蔵を運んだ。だが突然、地蔵が重くて動かせなくなった。住民は「地蔵が安住の地としてここを選んだに違いない」と考え、その場に安置した。それが現在の場所という。
 ほかにも「地蔵が歩いてきた」という話や「地蔵の顔に汗が出て、村に奇妙な病が流行った」というエピソードも残るなど、多くの謎を含む。地区の守り神として住民に慕われる神秘的な存在。
 

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