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【2008.07.01】
滝八幡の三十三観音磨崖仏群(矢吹町)
//37体もの仏像が一列に//
佐藤利広さん
周辺整備し誘客
  三十三観音史跡公園の整備活動に取り組んでいる矢吹町2区自治会長の佐藤利広さん(71)は「仏群は町の宝。より多くの人に知ってもらうためにも、周辺を整備して観光客を呼び込むことが大切」と語る。
 矢吹町政100周年を記念して同自治会が山桜を植えた。これまで、草刈りやごみ拾いなどを通した清掃のほか公園内の鳥居を新築するなどの活動をしている。「(仏群は)見れば見るほど味がある」と話す。
滝八幡の三十三観音磨崖仏群 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

矢吹町滝八幡の隈戸川の岸のがけに37体が並ぶ仏群 JR矢吹駅から北西へ車で約10分、東北道矢吹ICから北へ同約15分

  矢吹町滝八幡の隈戸川に沿った約10メートルのがけに、37体の仏像がほぼ一列に並んでいる。1981(昭和56)年5月1日、町指定文化財になった。
 仏像の内訳は、薬師如来、阿弥陀(あみだ)如来、地蔵菩薩(ぼさつ)准胝(じゅんてい)観音菩薩、11面観音菩薩各1体、聖観音菩薩10体、不空羂索(けんじゃく)観音菩薩8体、千手観音菩薩、如意輪観音菩薩各5体、馬頭観音菩薩2体。尊名不詳が2体ある。薬師如来と阿弥陀如来は山上部に彫られている。
 仏像は、40ー60センチほどの高さで彫刻されている。文化年間(1804ー17年)に書かれた「白河風土記」に三十三観音の記載が残ることから、それより以前に彫られていたとみられる。大きさや作風から考えると、18世紀後半に彫刻されたものではないかとされている。寄進者や石工名などは分かっていない。
 がけの上には、石の祠(ほこら)「滝八幡社」が鎮座。同風土記には、前九年の役で源義家が凱旋(がいせん)のおりに矢柄で屋根を葺(ふ)き建立したと記されている。「矢葺」が地名「矢吹」のゆかりになっているという。
 仏群の周辺は遊歩道が設けられるなど、観光客のための整備が進んでいる。三十三観音史跡公園は、仏群周辺を公園化して史跡保全と自然保護を図った施設。同町の2区自治会が長年にわたり、ボランティアで公園の整備活動に取り組んでいる。
 

福島民友新聞社
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