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【2008.07.06】
南須釜の念仏踊り(玉川村)//情緒あふれる伝統の舞//
大野勝雄さん
後世に残す努力を
  南須釜の念仏踊りは、保存会の尽力によって長年にわたり大切に伝承されている。会長の大野勝雄さん(69)は「伝統を受け継いでいくのは大変だが、後世に残してゆく努力を積み重ねていかなければならない」と責任感を見せる。
 現在は20人ほどの踊り手がいるが、大野さんが会長に就いたころは踊り手が少なく、子どもたちのいる家庭に要請して回ったという。「今では県内外で踊りを披露している」と話す。
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少女たちが情緒あふれる舞を奉納する南須釜の念仏踊り ■あぶくま高原道福島空港ICから東へ車で約5分。古宿バス停から徒歩約5分

  赤や黄色の花笠をかぶった少女たちが、歌に合わせて扇子や綾(あや)竹を使った伝統の舞を披露する。情緒あふれるその姿を見ようと多くの見物客が訪れる。
 350年ほど前、仏を供養するために仏前で踊りを奉納したのが念仏踊りの始まりとされている。
 4月3日は玉川村の東福寺境内、8月14日は新盆の家を回って踊りを奉納する。現在は12歳ぐらいまでの少女たちが踊っているが、かつては15、6歳の男女だったという。
 1890年代後半ごろから約60年間途絶えていたが1952(昭和27)年、地域の有志らが念仏踊りの再興を強く望み、当時72歳の大野ケサさんが幼少時代に踊った記憶を頼りに復活させた。現在の踊りもケサさんが明治時代、12歳のときに踊った記憶をもとに再現、50年以上にわたり伝承されている。75年に県重要無形文化財に指定、78年には国選択無形民俗文化財となった。
 演目は「さ夜の中山」「ねずみ」など9曲で、現在は南須釜念仏踊保存会によって、踊りの指導などが行われている。踊り手の子どもたちに大人たちによる笛、鉦(かね)、歌が加わり、総勢30人ほどで念仏踊りを繰り広げる。
 その様子を写真に収めようとカメラマンも多く訪れており、あどけなさの残る少女たちの表情、落ち着いた境内と華やかな衣装とのコントラストなどシャッターチャンスを狙っている。
 

福島民友新聞社
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