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【2008.07.23】
阿武隈川源流域(西郷村)//原生林がはぐくむ清流//
真船真さん
◆四季の風景魅力
  阿武隈川は流域に肥よくな土壌を生み、長年にわたって米作り文化を支えている。西郷村山岳会長の真船真さん(70)は「雄滝は水の神さまとして、流域住民の信仰が厚い」と話す。
 首都圏の小、中学生も学習の一環として阿武隈川源流を訪れる。真船さんは源流の「案内人」として、一緒に沢登りをすることもある。「源流域は自然が豊富。春の芽吹きや秋の紅葉など四季によって姿を変える風景も魅力の一つ」と語る。
阿武隈川源流域 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

阿武隈川源流域
甲子連峰の原生林がはぐくむ水が流れる阿武隈川 ■大黒屋はJR新白河駅から西へ車で約30分、東北道白河ICから同約35分

  阿武隈川は、甲子連峰を発して約239キロを流れ、宮城県亘理町で太平洋に注ぎ込む。源流域は、同連峰の豊かな原生林がはぐくむ清流と大小の滝、奇岩が雄大な渓谷美を織りなす。
 同連峰は三本槍岳、旭岳、赤面山、甲子山などで形成され、わき出る水が阿武隈川や谷津田川、黒川の源流となっている。西郷村は「源流の郷」として知られる。多くの登山家が沢登りに訪れ、阿武隈川の源流を目指す。登山コースはさまざま。
 源流域に多数ある滝のうち、最も高低差があるのが「雄滝(おだき)」。危険が伴うため登山には案内人が必要だが、さらに上流を目指すと、雄大な「赤滝」を見ることができる。登山道の入り口近くには、奥甲子温泉「大黒屋」があり、登山者の疲れを癒やす。白河藩主松平定信も甲子温泉を好んで湯治していたとされ、大黒屋そばには、別荘「勝花亭」(西郷村指定有形文化財)もある。
 甲子温泉付近は、寒地系と暖地系の植物が入り交じっている。源流域はブナの原生林が豊かな地域。豊かな森が多くの動植物をはぐくんでいる。
 阿武隈川源流の自然を守る活動も盛ん。最上流域にある西郷村の川谷小と最下流域の宮城県荒浜小は「源流探検」や「河口観察」を共同で行い、交流を続けている。みなもん環境自然塾は、小、中学校の環境学習の一環として水生生物調査や水質調査などを続けている。
 

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