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星 為夫さん |
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◆大切に守りたい |
昭和村からむし生産技術保存協会長の星為夫さん(67)は「からむし織は村のシンボルであり、村民の誇り」とした上で「からむし織は、村の女性たちの手で伝えられてきた伝統。大切に守っていきたい」と力を込める。
村で現在、カラムシ栽培をしているのは45戸で、担い手は高齢化。からむし織の伝統を守っているのは女性15人で50代以上が中心。自宅にある高機(たかはた)、地機(じはた)を使い、手織りに励んでいる。 |
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国選定保存技術「苧引き」をする昭和村の女性 |
■磐越道・会津坂下ICから南西へ約55`。只見線会津川口駅からバスで約30分 |
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カラムシは、苧麻(ちょま)と呼ばれるイラクサ科の多年生草。昭和村は、本州唯一のカラムシ生産地で、約六百年の歴史を誇る。栽培から織りまでの伝統の技が、村民の手から手に受け継がれてきた。からむし織は通気性、吸湿性に優れ、肌触りが良いのが特徴。
カラムシ栽培は毎年5月の焼き畑から始まり、7月中旬、約2メートルに育ったカラムシの刈り取りに入る。収穫したカラムシを水に浸した後、皮をはぐ。はぎ取った皮から繊維を取り出す苧引(おひ)き、糸づくりの苧績(おう)みを経て「幻の手づくり糸」が出来上がる。村内各戸の女性たちが時間と手間をかけて手織りでからむし織を仕上げる。近年は、和服用だけでなく、洋服の生地として脚光を浴びている。夏は、からむし織ワイシャツの「氷をまとったような」と言われる涼やかさが人気を呼んでいる。
「からむし生産用具とその製品」は県重要有形民俗文化財、からむし織は県重要無形文化財に指定されている。カラムシ生産と苧引きは1991(平成3)年、国選定保存技術に認定された。
からむし織の伝統継承を目指して同村は毎年、からむし織体験生「織姫・彦星」を全国から募集。今年は15期生を迎えた。からむし織の素晴らしさを伝える拠点施設・からむし織の里は2001年にオープン。毎年7月には、からむし織の里フェアが盛大に開催され、多彩なイベントが繰り広げられる。 |
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