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【2008.08.01】
田子倉湖(只見町)//電源を開発 日本支える//
新国かの子さん
新国かの子さん
◆癒やし与える水
  「六十里越雪わり街道」は、田子倉湖の景色を堪能できる絶好のドライブルートとして知られ、関東甲信越、北陸地方などから多くの観光客が訪れている。
 只見町観光まちづくり協会の新国かの子さん(49)は、湖を見下ろす六十里開通記念碑(田中角栄碑)と、美しい滝の流れを見ることができる「アイヨシ橋」を絶景ポイントとして勧める。「たおやかな水と奥深い山々が癒やしを与える。新緑と紅葉の季節がいい」と話す。
田子倉湖 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

満々と水をたたえた田子倉湖。縁取る山々とともに四季折々に表情を変えていく 田子倉ダムまではJR只見駅から国道252号を西へ車で約15分

  尾瀬を源流とする只見川の本流をせき止めたダム湖で、越後三山只見国定公園の一部。全国屈指の豪雪地帯にあり、雪崩で岩肌が筋状に露出した山々に囲まれている。重力式コンクリートダムとして国内最大級の規模の田子倉ダムは、5億立方メートルの膨大な水を蓄えている。田子倉発電所が生み出す電気は首都圏に送られ、日本経済を支える。
 原生的な自然に縁取られ、満々と水をたたえた田子倉湖の紺碧(こんぺき)の水面(みなも)は、季節ごとにその表情を変えていく。残雪の中にいぶくブナの透き通る新緑、山全体を赤や黄に染める紅葉の季節が特に美しい。
 訪れた人の心を奪う絶景は、只見町と新潟県魚沼市を結ぶ国道252号「六十里越雪わり街道」から望むことができる。六十里越は豪雪で半年近く通行止めとなる。
 田子倉発電所は戦後復興の国家プロジェクトとして建設された日本を代表する水力発電所。総出力39万キロワットは国内第2位。1955(昭和30)年に着工、61年に完成した。建設には延べ300万人、約340億円という人員と費用が投じられた。
 ダム建設で町に商店街が現れ、資材運搬のために敷かれた鉄道はその後、国鉄只見線になるなど、住民の暮らしは大きく変わった。一方で、田子倉集落が湖底に沈み住民の反対運動、補償が大きな問題となった。田子倉ダムをめぐる悲喜こもごもは、作家城山三郎の小説「黄金峡」などいくつかの小説に描かれている。
 

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