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【2008.08.05】
勝常寺の仏像群(湯川村)//参拝者に安らぎ与える//
高橋勝昭さん
高橋勝昭さん
◆後世に残したい
  勝常寺檀徒総代会長の高橋勝昭さん(64)は「これだけの仏像が1カ所にあるのは非常に珍しい。守ってきた先人に感謝と敬意を表したい」と語る。
 勝常念仏踊り保存会長も務めており、毎年開かれる祭礼では念仏踊りを繰り広げ、参拝者や観光客らに村の伝統を伝えている。
 高橋さんは「勝常寺をはじめ、祭礼や念仏踊りなどを守っていくことが村おこしにもつながる。村の遺産を大切に後世に残していきたい」と話す。
勝常寺の仏像群 《mapクリックで詳細mapが表示されます》
勝常寺の仏像群
平安時代の仏教文化を今に伝える勝常寺の薬師三尊像 磐越道会津若松ICから北西へ車で約10分。JR笈川駅から南西へ徒歩約30分

  9世紀初めに高僧・徳一が開山した東北有数の古刹(こさつ)の勝常寺に安置されている。30余躯の仏像は、神秘的な雰囲気を漂わせ、参拝者らに心の安らぎを与えている。
 仏像は、国宝の「薬師如来坐像(ざぞう)」、両脇侍(きょうじ)の「日光・月光菩薩立像」の薬師三尊像をはじめ、国指定重要文化財の「四天王立像」、村指定文化財で徳一の自作といわれる「徳一菩薩坐像」など。このうち、平安前期の仏像が12体あり、これだけの古像がそろっているのは、全国的にもまれという。
 本尊は薬師如来坐像で長年、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願う人々の信仰の対象となってきた。ケヤキの木像で、高さは1.37メートル。荘厳な表情を浮かべ、質感のある堂々とした風ぼうが特徴。蓮華座に腰を下ろし、葡萄(ぶどう)唐草を浮き彫りした光背を背負う姿は威厳に満ちている。
 両脇侍の日光・月光菩薩立像は穏やかな表情で、優雅な雰囲気を醸し出している。頭部から脚部まで1本のケヤキから彫り出す一木造りで、七頭身以上の均整のとれた美しい姿で参拝者らを魅了する。三尊像は破損が少なく、平安時代の仏教文化を今に伝えている。
 同寺では、毎年4月28日の薬師如来の祭礼が開かれ、念仏踊りが奉納される。三尊像や伝統の踊りを一目みようと、境内は参拝客や観光客で一層にぎわう。
 

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