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佐藤弥右衛門さん |
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◆20棟文化財申請へ |
喜多方市では、東京大都市デザイン研究室が2000(平成12)年から、蔵を生かしたまちづくりに関する調査研究を行っているほか、「喜多方蔵のまちづくり協議会」などの市民団体も積極的な保全活動を展開している。
同協議会副会長の佐藤弥右衛門さん(57)は「市建築士会と協力して100棟の蔵を調査しており、このうち20棟前後を登録文化財に申請する見通し。経産省の『近代化産業遺産』の利活用も課題」と話す。 |
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「蔵のまち」喜多方でも特に蔵の町並みが続く小田付通り |
■小田付通りはJR喜多方駅から北東に約2・5キロ、徒歩では約30分。 |
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「蔵のまち」として全国的に名高い喜多方市。2006(平成18)年1月の市町村合併前には約2500棟とされてきた蔵の数は合併後の現在、市税務課の台帳上で約4200棟とされる。
経済産業省は今年、同市の「赤煉瓦(れんが)製造関連遺産と建造物」を「近代化産業遺産」として認定した。明治時代から登り窯による煉瓦作りが盛んだったこともあり、火災に強い煉瓦蔵が多数現存。日本酒やみそなど醸造関連の煙突も煉瓦作りが多い。
天井や柱、座卓まで縞柿(しまがき)で統一された「縞柿の間」を持つ若喜商店。喜多方で最初の煉瓦蔵とされる同店の蔵は、国登録有形文化財となっている。また、郊外の三津谷地区はほぼ全戸が煉瓦蔵を有する集落で、独特の異国情緒にあふれている。
若喜商店と同じく国登録有形文化財の甲斐本家蔵座敷は、外壁をすべて黒漆喰(しっくい)で塗り込めた重厚な外観から「烏城(うじょう)」とも呼ばれる。
蔵の街並みが続くのは小田付通り。みそ蔵や酒蔵などが立ち並ぶほか、コーヒー店などに生まれ変わった蔵も多い。夜間はライトアップされ、人気の撮影スポットになっている。
市内には使われなくなって朽ちかけている蔵も多く現在、市民団体や行政、大学などが連携して蔵の維持、保全活動を行っている。中学生による蔵調査なども行われており、喜多方の象徴・蔵の保全は、市民共通の課題となっている。 |
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