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【2007.12.12】
荒川の清流とかすみ堤(福島市)//先人の苦闘語る石積み//
伊藤賢之さん
伊藤賢之さん
◆美しい川 次世代に
  「澄んだ水と豊かな自然が荒川の魅力」と話すふるさとの川・荒川づくり協議会の伊藤賢之会長(69)。同協議会は荒川の自然保護と河川の浄化、環境教育への取り組みを目的に、1998(平成10)年に設立。河川周辺でのクリーンアップ作戦やサケの稚魚の放流など、さまざまな活動を通じて荒川の自然を守っている。
 伊藤会長は「次世代を担う子どもたちに美しい川を伝えていくのがわれわれの役目」と話す。
荒川の清流とかすみ堤 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

江戸時代に造られ当時の姿のままで残る「かすみ堤」 「かすみ堤」のある水林自然林まではJR福島駅から西に約12キロ、車で約20分。

  吾妻連峰を源として福島市街地を抜け、阿武隈川に合流する清流・荒川。2004(平成16)年に国土交通省の河川ランキング(平均水質)で一位、また環境省の05年度の水質測定結果河川部門で1位になるなど、全国的にも美しい川としてその名を知られている。
 河川の全長は29.7キロ。流域にはあづま総合運動公園や桜づつみ河川公園など、水と自然を備えた公園が数多く整備され、市民にとっては憩いの場として身近な存在でもある。
 一方で、その名の通り「暴れ川」としての側面も持つ。古くは江戸時代の文献にも土石流やはんらんの記述が見られ、昔から流域の住人を悩ませてきた。上流の小富士橋近くの水林自然林に並ぶ「かすみ堤」は、先人たちの苦闘の歴史を物語る。
 松やナラ、杉などがうっそうと茂る水防林とともに、石積みの姿を見せる「かすみ堤」。戦国時代の武将武田信玄によって考案されたといわれる治水工法で、堤防の一部に切り口を設けて洪水の際にはんらんした水を分散し、被害を少なくする機能がある。林間歩道に現存する「かすみ堤」は江戸時代に造られた。当時の姿そのままのものもあり、先人の知恵を今に伝える。
 また、小富士橋の上流には、土砂をせき止めるため大正から昭和の時代に造られた「地蔵原堰堤(えんてい)」がそびえ、現在は水音とともに散策ができる遊歩道が整備されている。
 

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