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【2007.12.22】
旧伊達郡役所(桑折町)//壮麗な姿残す町の象徴//
菱沼正人さん
菱沼正人さん
永久保存に努める
  桑折町文化財保存会などの協力団体も保護に力を注いでいる。同保存会の副会長で町文化財保護審議会の委員も務める菱沼正人さん(77)は郡役所が国重要文化財に指定された際、町教育委員会の社会教育係として改築や利用、公開計画作成の中心として活躍した。
 敷地内への標柱の設置や会報の出版などで保護継承活動を続ける菱沼さんは「目に見える町のシンボルを永久に保存し、多くの人に見てもらえるよう努めたい」と話す。
旧伊達郡役所 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

壮麗な明治洋式庁舎として当時の姿を伝える旧伊達郡役所

■JR桑折駅から県道国見町−福島線を南に向かって徒歩で約15分

  1883(明治16)年に着工した擬洋風建築様式の建物。翌年には延べ床面積約600平方メートルの総2階建て、バルコニーと塔屋を持つ壮麗な明治洋式庁舎として完成した。1977年6月に国重要文化財に指定され、桑折町が中心となって保護してきた威厳ある風格は、町のシンボルとして当時の姿を今に伝えている。
 完成以降、郡役所は1926年7月に廃止になるまでの約43年間、郡行政の中心的役割を果たしてきた。廃止後も伊達郡各種団体の事務所や県の出先機関として利用されてきたが、74年3月にその役目を終えた。
 郡役所は当初、保原(現伊達市保原町)に置かれていたが、桑折町の有志が誘致運動を行うなどして移転が実現。国重要文化財に指定された際、振動が大きいとして撤去された塔屋も復元され、郡役所の遺例のうち最大級の規模を持つ姿が完全によみがえった。
 現在、管理は桑折町が担っているが、外壁のペンキも塗り替えの際は劣化しやすい建設当時のものを使うなど、昔の状態を将来に残していこうと努力を続けている。町によると、建物内部の公開のほか、展示会に使用するなど、保全と同時に一般への公開を両立するためのバランスも重要としている。
 町史や町に伝わる古文書なども敷地内の倉庫に保存されているが、町は「建物を維持しながら、この種の町の歴史を公開するような施設として使用できれば」と検討を進めている。
 

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