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【2007.12.28】
新宮熊野神社長床(喜多方市)//晩秋には鮮やかな黄葉//
稲田秀さん
稲田秀さん
地域ぐるみで保全
 長床をはじめとする新宮熊野神社の管理は、地元新宮地区の住民で組織している新宮地区重要文化財保存会が行っている。
 初夏に行う長床のかやぶき屋根のふき替えなどの維持管理のほか、参道脇に建てた宝物殿で貴重な文化財を保管、展示している。
 稲田秀会長(65)は「百選に選ばれたのは地域の皆さんの努力の成果。『秋は長床の大イチョウ』と言われるように今後も守っていきます」と話す。
新宮熊野神社長床 《mapクリックで詳細mapが表示されます》

円柱44本が等間隔で5列に並ぶ四方吹き抜けの長床 JR喜多方駅から車で10分、真木行きバス新宮バス停下車徒歩3分

 新宮熊野神社は源頼義・義家親子が1055(天喜3)年に「前九年の役」で陸奥征伐に赴く際、武運を祈って紀州熊野から熊野堂村(現会津若松市河東町)に勧請したのが始まりとされる。その後、「後三年の役」(1083―87年)に再び会津を訪れた義家が現在の場所に移動、全盛期には300以上の末社や寺が並んでいたという。
 1611(慶長16)年の大地震で本殿以外がすべて倒壊、3年後に当時の会津藩主蒲生忠郷が長床だけを一回り小さく再建したと伝えられる。
 長床は1尺5寸(約45センチ)の円柱44本が10尺(303センチ)の等間隔で5列に並ぶ豪壮な四方吹き抜けが最大の特徴。同神社の拝殿であるとともに修験者の修験道場だったとも伝えられている。
 1963(昭和38)年に国の重要文化財に指定され、71年から4年の歳月と約1億4000万円をかけて復元された。
 同神社には、国指定重要文化財の長床と銅鉢以外にも、県指定重文の本殿や御神像、文殊菩薩(ぼさつ)騎獅像など、さまざまな文化財が残されており、境内や併設する宝物館で見学することができる。また、境内に立つ大イチョウは樹齢800年とされ、辺り一面を黄金のじゅうたんに染め上げる黄葉は晩秋の喜多方の風物詩として全国的に知られている。
 季節を問わず訪れる観光客は年々増え続け、2006(平成18)年には約3万人が訪れた。
 

福島民友新聞社
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