積極的に検診受診を
子宮がん最終回の本稿では、検診について書いてみます。子宮頸(けい)がんの検診は、子宮頸部を木のへらなどでこすって細胞を採取し、これを顕微鏡で観察して異常な細胞を見つける検査です。比較的簡単な検査で、短時間で終了します。初期の子宮頸がんは無症状のため、この検診を受けなければ発見することは困難です。
【本県の子宮がん検診の現状】子宮がん検診は、現在、市町村単位で実施する住民検診のほかに、職場単位や個人で医療機関を受診するケースもあります。このうち、住民検診の受診率は本県全体で約12〜13%と極めて低いのが現状です。受診率は市町村によっても差があり、2007(平成19)年度、福島市は13.9%、郡山市11.7%、いわき市7.8%となっています。子宮頸がんは20〜30代の若年女性に発生することが多く、本県でも多くがこの年代に発見されています。
しかし、受診者の数をみると20代で子宮がん検診を受けた人は3478人、30代1万462人、40代1万3025人、50代1万7279人、60代1万6012人、70歳以上が1万955人で、受診者数のピークは50〜60代の女性です。
これは子宮がん検診を受けてほしい年代と実際に積極的に受けている年代がずれていることを意味し、決して効率的な検診が実施されているとはいえません。
【若い人ほどがん検診を受けましょう】若くても子宮頸がんで亡くなってしまう症例もあり、また、子どもが欲しくても子宮を摘出しなければならない女性もたくさんいます。
何度も繰り返しますが、子宮頸がんは検診を受けて早期の段階で見つけ、治療すれば子宮は残せますし、命にかかわることもありません。この点を十分理解して、20〜30代の若い女性にもっと積極的に検診を受けてもらいたいと思います。
(県医師会員・福島市)
=次回掲載11月6日
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