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 【 〔がんと向き合う〕TOP
がんと向き合う
〔 23 〕 金子史男 医師    
【 皮膚がん(上) 】
しっかりと紫外線対策を

 【皮膚がんとは(悪性黒色腫を除く)】高齢化社会を迎えて、皮膚の「がん」は脅威です。発生は、一般的に「内臓がん」と同じように遺伝的要因と環境因子によって起こると考えられています。
 多くは、顔、腕、手など露出部皮膚に生じ、多くは前がん状態の「日光角化症」から始まる「有棘(ゆうきょく)細胞がん」と悪性黒色腫に似ている黒い「基底細胞がん」です。時には非露出部の体にできる表皮内がんの「ボーエン病」からも「増殖性有棘細胞がん」が出現してくることがあります。
 前者の「皮膚がん」は環境因子として、日光紫外線に長期に当たること、化学腐食物による刺激、熱傷の瘢痕(はんこん)や「たばこ」などが主な原因となることが多く、特に口唇がんの大部分はその前がん状態の扁平苔癬(へんぺいたいせん)から出現してきます。
 また、最近は衛生状態が良くなりましたが、過去に水系伝染病のように井戸水などに含まれるヒ素の長期の摂取によって全身に点状角化病変が出現して、そこから「がん」が発生してくることがありました。
 最近では多くの報道機関により、長時間の紫外線照射を避けることの宣伝と遮光剤の普及によって「皮膚がん」の患者さんの数は減少してきています。 

皮膚がんとその原因】表に挙げたような遺伝疾患と環境因子が原因と考えられています。 
予防と治療】予防の第一は、紫外線対策です。特に農家の方々、戸外での労働作業を続けておられる方々は、紫外線対策が重要です。痛くもない、かゆくもない硬い皮膚の発疹(ほっしん)が出たら早めに皮膚科専門医を受診することが大切です。
(県医師会員・郡山市)
=次回掲載2月19日

 



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