福島県・女性寿命「86.40歳」 ワースト5位、がん死亡率上昇

2015(平成27)年の本県の平均寿命は、男性80・12歳で都道府県でワースト7位(41位)、女性86.40歳でワースト5位(43位)だったことが13日分かった。震災、原発事故前に行った前回(10年)調査と比べ、本県の平均寿命の延びは男性が1.28歳上昇で上から14番目に大きかった一方、女性の延びは0.35歳上昇にとどまり、全国ワースト2位となった。特に女性で全国との差が目立った。平均寿命の順位は男性が3位上がり、女性は5位落とした。
厚生労働省が「2015年都道府県別生命表」を発表した。年齢構成が異なる地域間で比較できるように調整した「年齢調整死亡率」が全国より低い都道府県は平均寿命が高い傾向になる。平均寿命の延びが小さかった本県女性について、厚労省はがんなどの悪性新生物の年齢調整死亡率が上昇したことを指摘している。調査によると、本県女性の悪性新生物の年齢調整死亡率は10年が10万人当たり89.2人に対し15年が89.9人。
男女とも全都道府県で平均寿命は延びたが、最も長かったのは男性が滋賀の81.78歳で、前回調査の2位から初のトップ。女性は長野87.675歳で2回連続首位。最下位は男女とも青森(男性78.67歳、女性85.93歳)だった。全国平均は男性80.77歳、女性87.01歳。
福島県、減塩や運動対策
厚生労働省が発表した平均寿命について、県は「男女とも全国平均を下回っており、重く受け止める。生活習慣に由来する病気の影響も考えられる」とし、減塩や野菜摂取量を増やすことや運動の推奨などの健康対策に力を入れる考えだ。
年齢調整死亡率で本県の女性のがんの死亡率が5年前の前回調査より悪化したことについては「詳しい分析が必要」としている。
県はがんの早期治療につなげようと、がん検診の受診率向上を目指している。併せて、県民の健康指標の改善に向けた「食・運動・社会参加」を軸に、がんの原因とされる喫煙対策などを進める方針だ。
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