福島県民の『健康寿命』延伸へ連携 福島民友、福島医大が協定

 
連携協定を結び握手を交わす竹之下理事長(右)と五阿弥社長=2日午前、福島市・福島医大

 福島民友新聞社と福島県立医科大学は2日、県民の健康増進を目的とした連携協定を結んだ。全国平均を大きく下回る県民の健康指標を改善して健康寿命を延ばすため、健康づくりや健康意識の啓発に向けた取り組みを連携して行う。福島医大が報道機関と連携協定を締結するのは初めて。

 厚生労働省が昨年発表した日本人の死因別の年齢調整死亡率(2015年)によると、本県の急性心筋梗塞の死亡率は男女とも全国ワースト1位で、震災前の10年調査でも同様だった。また同省の15年調査で、特定健診でメタボリックシンドロームに該当した県民の割合(メタボ率)は17.1%で全国ワースト3位。このほか喫煙率の高さなど、県民の健康を巡るさまざまなデータは全国平均を大きく下回っている。

 県民の食生活や運動習慣が健康指標に与える影響が指摘されており、県は「食」「運動」「社会参加」を柱とした「チャレンジふくしま県民運動」を展開。県民へ運動をどう浸透させるかが課題となっている。

 危機的な現状を踏まえ、協定は県民の健康意識の向上と、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指す「健康寿命」の延伸を目的として掲げ、健康づくりや啓発活動を両者が連携、協力して行うことを盛り込んだ。県民向けの公開セミナーの開催などを検討するほか、医大が健康増進などのための事業に本紙の記事を活用することも盛り込んだ。

 協定の締結式が2日、福島医大で行われ、五阿弥宏安社長と竹之下誠一理事長が協定書を交わした。

 竹之下理事長は「福島民友とはこれまでも県民の健康増進について協力してきたが、今後さらに連携を深めていきたい。特定機能病院である医大は最先端の治療はもちろん、早期診断と早期発見に力を入れていきたい」、五阿弥社長は「県民の健康増進へ取り組むのは地元紙としての責務。福島の医療、健康を支える中核である医大との協力をさらに深め、県民の健康寿命を延ばしていく」とそれぞれ語った。