「心筋梗塞」「脳卒中」患者調査 福島県、効果的な予防対策へ

 

 県民の健康指標の悪化改善に取り組む県は本年度、本県で死亡率が高い急性心筋梗塞と脳卒中の発症状況を調査する。医療機関に調査票を配布し患者の発症登録をする新たな取り組みを行い、市町村の健診データと関連付けて地域の健康課題をあぶり出し、効果的な予防対策につなげる狙い。

 県は昨年度から福島医大健康増進センターと連携し、「本県版健康データベース」の構築に取り組む。現在は10市町村から健診データなどの提供を受けているが、年度内に全59市町村に拡大させる。

 調査票の内容は検討中だが、患者の年齢や性別、市町村、既往歴、喫煙歴などを想定。医療機関が急性心筋梗塞または脳卒中の患者を把握した場合、調査票に記入して同センターに提供、同センターがデータベース化する。県は市町村の健診データと関連付けて地域別の健康課題を分析した後、市町村に現状や課題、対策などの情報を提供する。

 厚生労働省の年齢調整死亡率(2015年)によると、本県の急性心筋梗塞の死亡率は男女とも全国ワースト1位。また同省の人口動態統計(17年、概数)では脳卒中を含む脳血管疾患の死亡率が全国ワースト7位で悪化が目立っている。