いわき市が「健康指標」改善に着手 国保の健診データなど活用

 
協定を交わした(左から)清水市長、木村会長、山本社長

 いわき市と同市医師会、保健事業支援のミナケア(東京都)は15日、国民健康保険(国保)の健診データなどを活用した、市民の健康づくりに向けた実証事業に着手した。

 市が持つ国保の健診や市民の医療費に関するデータを、ミナケアがデータベース化し、分析する。市や医師会が分析された内容を受け、施策や医療行為に役立てる。同市は県内でも健康指標が低く、がんや心疾患などによる死亡率も高いことから、国保のデータから地域ごとの健康課題の洗い出し、市民個人への健康づくりに向けた助言などにつなげる。

 また、市民の特定健診、保健指導、がん検診などの受診促進や健康管理、疾病予防、医療費の適正化に向けた情報の発信も目指す。実証事業では国保のデータを活用するが、将来的に国保以外のデータの活用も視野に入れている。

 ミナケアは、県の補助を受け、データを解析するシステムを構築。2月末までの分析完了を目指す。

 同社の山本雄士社長は「どのようにデータを見ていくか、アプローチの方法などを検討したい」としている。同社と市によると、健診データは個人の特定を防ぐため、匿名化し提供される。

 事業開始に向けた連携協定の締結式が15日、同市で行われ、清水敏男市長、木村守和市医師会長、山本社長が協定書を交わした。清水市長は「オールいわきの体制で健康課題を明確化し、施策に反映させたい」、木村会長は「2019年をいわき市の健康指標のV字回復の年にしたい」とそれぞれ意欲を示した。