心疾患、メタボに『危機感』 福島県市町村、予算は健康を重視

 

 福島民友新聞社が県内59市町村に実施したアンケートで、2019年度当初予算案の編成で59市町村全てが健康対策を重視した取り組みを進める方針であることが分かった。23市町村が当初予算で健康対策を「非常に重視する」、36市町村が「ある程度重視する」と答えた。

 「健康対策について、どの程度課題になっているか」との設問では、36市町村が「大きな課題」と回答、「どちらかといえば課題」が21市町村、「あまり課題となっていない」が1町、無回答が1町だった。

 「大きな課題」と答えた市町村は、心疾患や脳血管疾患の死亡率、メタボリック症候群の割合が高いことなどに危機感を抱く。特に震災と原発事故に伴い避難した自治体は生活習慣の変化を挙げ、「今後、生活習慣病の増加傾向が懸念される」(葛尾村)との声もあった。また、全町避難が続く自治体は「保健師も分散配置で健康状態の把握が困難」(大熊町)、「町民が居住している地域で健康づくりに取り組める体制が大切」(双葉町)とし、県内外に避難する住民の現状を踏まえた健康対策の重要性を指摘した。

環境整備の要望も 県や国に求める健康対策の支援については人材・財政支援が中心だが、健康づくりの環境整備を要望する意見もあった。

 会津若松市は、健康に対する関心の有無や就労環境、経済状況にかかわらず健康づくりに取り組める環境が重要だと指摘。いわき市は「国レベルで業界団体に減塩や適切な脂肪を使った食品の製造・販売を働き掛けてほしい」と求めた。

 さらに、改正健康増進法に伴う受動喫煙防止対策を巡り、福島市は「受動喫煙防止条例の制定も含めた対策を」と要望。2017(平成29)年12月から公共施設の敷地内禁煙に取り組む郡山市は、「喫煙禁止場所での喫煙器具などの設置禁止義務について、順守されているか監視するため人員体制を維持・確保する必要がある」とし、これらの対応に関わる財政支援を求めた。