西会津に育て!健康の仕掛け人 奥医師、保健師や栄養士を指導

 
町の保健師らと健康づくりに向けて話し合う奥さん(中央)

 西会津町は本年度、町民の新たな健康づくりプロジェクトをスタートした。諏訪中央病院名誉院長で医師・作家の鎌田実さん(70)の教え子で在宅医療などを担う地域包括ケア研究所医師の奥知久さん(39)が町を定期的に訪れ、地域の保健福祉を支える保健師や栄養士の育成に取り組んでいる。

 奥さんは長年、同病院総合診療科医師として在宅医療などに携わってきた。3月末で同病院を退職し、現在は全国各地の自治体で診療や健康づくり事業に携わる。

 4月に同町役場で開かれた研修会。奥さんは集まった町の保健師や栄養士に「住民が健康になるためには行動が必要だが、講演会などで知識を与えるだけでは行動しない。体を動かすなど、練習の場をセッティングすることなどが大事」とアドバイスした。

 グループに分かれての話し合いの中では、住民が行動するためのテーマソングやオリジナル体操、健康づくりポイントカードなどのユニークな意見も出た。奥さんは「自分で楽しめないと、町民には伝わらない」と強調する。

 町の保健師ら10人は今後、奥さんの指導を受けながら住民とのコミュニケーションスキルを高め、地域ごとの特徴や健康状態を分析し、住民に健康行動を促す力を身に付ける実践を重ねていく予定だ。

 奥さんは「行動が変われば結果も変わる。住民主体の健康づくりを推進するため、保健師や栄養士が仕掛け人になってほしい」と期待を寄せる。