福島県新たな対策!減塩商品や科学的な分析 死亡率厳しい状況

 

 厚生労働省の人口動態統計(概数)で、2018年の本県のがん、心疾患、脳血管疾患の死亡率(人口10万人当たりの死亡数)はいずれも全都道府県の中で高い状況だった。塩分の多い食生活や運動不足などが背景にあるとみられ、県は新たな対策で健康指標の改善を図る。

 県民の1日当たりの食塩摂取量(16年)は男性11.9グラム、女性9.9グラムで1日の目標量(男性8グラム、女性7グラム)を上回り、都道府県別では男女とも全国で2番目に多い。

 塩分過多は高血圧の要因となり、重症化すると脳梗塞や心筋梗塞を発症する危険性が高まるとされる。このため県は本年度、スーパーの弁当や総菜などを段階的に減塩化する取り組みを実施。減塩商品の開発や、既存商品の塩分を抑える調理支援などを想定しており、県民が無意識のうちに減塩に取り組める環境をつくる。

 科学的な分析も強化する。県は1月から、急性心筋梗塞と脳卒中の発症者の実態を調べる事業を始めた。全県の発症者を福島医大健康増進センターで集計し、健診や医療情報を含む「県版健康データベース(構築中)」と関連付けて調査。発症に至る原因や発症後の回復状況などを探り、効果的な予防対策を検討する。さらに知事をトップとする推進組織が開く首長や社長対象の健康セミナーなどを通じ、市町村、企業の取り組みを促す。県は「取り組みを強化し、健康指標の改善傾向を強めていく」(健康づくり推進課)とする。