「がん教育」推進 若年層の健康意識向上へ、専門医ら外部講師

 

 福島県教委は本年度、県民の死因で最も多いがんに関する正しい知識を伝える「がん教育」を充実させる。専門医やがん経験者を外部講師として学校に派遣する仕組みを構築するほか、モデル校で効果的な授業の在り方を検討、実践例を他校に広める。健康指標の改善が課題となる中、がん教育を通して若年層の健康意識を高め、「健康長寿県」の実現を目指す。

 がん教育が新学習指導要領に明記されたが、現在は全面実施に向けた移行期間にあり、学校側の関心の低さなども重なり普及が課題だった。このため県や県教委、医療関係団体などが本年度、「がん教育推進協議会」を新設。文部科学省の委託事業として展開する。

 外部講師の派遣は、児童、生徒が医師から専門性の高い予防や治療について学び、がん経験者から闘病に関する生の声を聞けるなどの利点がある。しかし県内では講師の派遣体制が整っていないため、17年度にがん教育を実施した学校(小学校37%、中学校53%、高校59%)のうち、外部講師を利用したのは小学校12%、中学校4%で、高校はゼロだった。

 県教委などは医師や歯科医師、薬剤師、看護師、保健師、がん経験者、がん患者の家族から成る外部講師のリストを作成。小、中学校、義務教育学校、特別支援学校、高校への講師派遣を仲介する「外部講師相談窓口」を設ける。外部講師の資質向上や関係機関の連携強化を目的とした研修会も開催する方針。

 併せてモデル校に選んだ会津学鳳中・高校で具体的な授業内容を検討する。教員研修や外部講師を活用した授業を通して、がんの知識と健康、命の大切さを学べる教育カリキュラムを作成、他校でも実践する。

 本県では1984年以降、がんが死因の1位で、がんの死亡率(人口10万人当たりの死亡数、2018年人口動態統計概数)は338.4人と全国ワースト13位に低迷。県教委は、がん教育を通じて生活習慣病の予防などにもつなげたい考えだ。