「ジェネリック医薬品」使用...伸び鈍化 福島県77.6%、全国16位

 

 全国健康保険協会(協会けんぽ)福島支部の加入者が使用する価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)の割合(3月時点、数量ベース)は全国16位の77.6%で、過去最高を更新した。福島支部が26日に発表した。ただ東北では最も低く、伸び率も鈍化傾向にあり、国が2020年9月までの目標とする80%以上の達成には加入者への周知が課題となる。

 国は高齢化に伴う医療費抑制などを背景に、新薬と同じ有効成分や効果を持つ後発薬を推奨している。福島支部も患者負担の軽減などを目的に後発薬利用を促進しており、約67万人の加入者を対象に使用割合を調査。実際に処方された後発薬の数量が、後発薬のある先発医薬品と後発薬を合わせた数量に占める割合を1カ月単位で算出した。

 ここ数カ月は毎月上昇しているが、伸び率は0.1ポイント程度にとどまる。県内七つの2次医療圏別では会津84.1%、県中81.6%、県北80.3%、県南80%に対し、いわき75.4%、相双73.5%、南会津66.5%と地域差が出た。

 福島支部は相双、いわきについて、東日本大震災に伴う医療費の一部負担金の免除措置で、後発薬を選んでいない実情もあると推測。南会津については高齢者が同じ薬を選び、後発薬を選択しない傾向があると分析する。

 年代別では、県の事業で医療費が無料となっている10代の使用割合が最も低かった。

 福島支部は医師や患者の中で品質への懸念が残っていることも一因とする。このため、後発薬の安全性などを周知する冊子を加入者に配布。後発薬を使用した場合、軽減される自己負担額が明記された通知書も送付するなど、加入者の利用促進を図っている。

 本県の医療保険者全体の後発薬の使用割合(18年12月時点、調剤のみ)は77.5%で、全国平均を0.5ポイント上回るものの全国31位に低迷する。福島支部の担当者は「(80%の達成には)県と連携し、県全体の取り組みとしていくことが重要だ」と指摘する。