「減塩サミット」福島で10月12日開催 高血圧防ぐ食生活提案

 

 めざせ「健康寿命」日本一―を目標に掲げ、福島医大と福島民友新聞社は「減塩サミット2019in福島」を10月12日午後1時から、福島市のエスパル福島5階ネクストホールで開催する。本県は他県に比べ県民の塩分摂取量が多く課題と指摘されている。減塩サミットは県民の健康指標の改善を目指し、塩分と健康との関わりについて専門医が分かりやすく解説するほか、家庭での実践例紹介などを通して健康の大切さを考える。聴講無料で、定員は150人。

 塩分の過剰摂取は血圧上昇の原因となる。高血圧になると、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気を発症する可能性が高まる。

 減塩サミットでは、専門医として福島医大医学部循環器内科学講座の石田隆史教授が基調講演する。

 また、先進的な活動として福島、宮城、青森3県の3団体が事例紹介し、毎日の食事の塩分を減らすことが健康に好影響を与えることや、減塩を実現する工夫について情報発信する。

 さらに、健康PRブースも会場に開設する。開場時間は午前11時~午後4時。入場も無料。

 福島医大と福島民友新聞社が連携協定に基づいて共催する。日本高血圧学会減塩委員会の協力、タニタの協賛、県医師会、県看護協会、県栄養士会、県食生活改善推進連絡協議会、福島市の後援。

 薬だけに頼らないで

 「減塩サミット2019in福島」で基調講演する福島医大医学部循環器内科学講座の石田隆史教授は、「福島県は高血圧の有病率、そして高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因となる脳卒中や心筋梗塞による死亡率が高いワースト常連県だ」と指摘する。

 石田教授は「高血圧はきちんと治療することが最も大切だが、薬だけに頼る治療は患者自身にも社会にも負担がかかる。そこで大切になってくるのが減塩など薬以外の治療だ」とした上で、「減塩サミットでは塩をめぐる体と病気のしくみや、減塩を実践するためのコツについて詳しく話したい」と話す。

 減塩サミットでは、減塩に取り組む県食生活改善推進連絡協議会と、青森県がん・生活習慣病対策課、広南病院(仙台市)の3団体が減塩などの実際の取り組みを紹介する。

 県食生活改善推進連絡協議会は、生活習慣病を防ぐための講座を実施している。塩分測定器を使って、みそ汁を試飲し、みそ汁の塩分量に理解を深めてもらう取り組みも進めている。

 青森県がん・生活習慣病対策課は、だしのうまみを生かして毎日の食事の減塩を実現する「だし活」を推進。PR用のダンスも創作し、楽しみながらだし活の輪を広げようとしている。

 仙台市にある広南病院は、若いときから減塩を心掛けてもらうことを重視。脳卒中などを減らそうと減塩レシピの公開や食事セミナーに取り組んでいる。