鎌田實さん「減塩には野菜摂取重要」 長寿県・長野の秘密語る

 
健康長寿をテーマに講演する鎌田さん

 県医師会医学大会・健康づくりフェスティバルは6日、福島市で開かれた。諏訪中央病院(長野県)名誉院長の鎌田實さんが「人生100年時代を生きる~健康長寿県福島を目指して」と題し、市民公開講座の特別講演を行った。出席した市民は健康で長生きするため、食事の塩分を減らすことや野菜をたくさん食べること、タンパク質をしっかり取ることの大切さを学んだ。県医師会の主催。

 鎌田さんはかつて健康指標が低水準だった長野県を長寿県に導いた経験などを紹介。減塩の重要性を語った上で、本県が長野と比べて野菜摂取量が少ないことを指摘した。「野菜をたくさん食べるためには野菜ジュースにしたり、温野菜にしてかさを減らしたりする工夫が効果的だ」とアドバイスした。

 また、身体機能などが衰える「フレイル」への注意を呼び掛け「虚弱にならないために、タンパク質をしっかり取ってほしい」と語った。「福島では子どもの肥満も課題になっているが、子どもは大人の背中を見る。大人が『俺はもういいんだ』などと言わずにちゃんと健康に気を付ければ、その家の空気が変わる。そうした変化の集積が福島を健康長寿日本一にする」とも話した。

 講演に先立ち、県医師会医学奨励賞の表彰式も行われた。本年度は、大腸がんの免疫療法を巡る研究を行った福島医大医学部消化管外科学講座の芦沢舞医師と、甲状腺機能に関わる「低T3症候群」を巡る研究を行った同大医学部循環器内科学講座の佐藤悠医師が選ばれ、佐藤武寿県医師会長が2人に賞状を手渡した。