伊達貨物運送に知事賞 健康経営優良事業所、郡山福祉会は民友賞

 
休憩室で血圧測定などを行う社員たち=伊達貨物運送

 県は従業員の健康づくりに取り組む「健康経営」の本年度優良事業所に98事業所を認定した。健康経営の重要性が広まり、昨年度比2.8倍(63社増)となった。昨年度も含め特に優れた3事業所を選び、最高賞の知事賞に伊達貨物運送(伊達市)が輝いた。福島民友新聞社賞には郡山福祉会(郡山市)、福島民報社賞に大槻電気通信(郡山市)が選ばれた。

 表彰式は12月以降に行われる。優良事業所の認定・表彰制度は昨年度、新設された。認定数は昨年度の35事業所から大幅に増え、計133事業所となった。県は経営者らを対象とした健康経営セミナーなどの効果で健康経営の重要性が認知されてきていると分析、全県拡大への契機と捉え、さらに周知を進める。

 伊達貨物運送は、健康経営方針を明文化し、経営者が先頭に立ち健康づくりを進める。敷地内完全禁煙のほか、社用車や敷地内に止めた自家用車内での禁煙も徹底。毎年開いている保健師を講師とした全職員対象の健康講習会、健診所見者に精密検査費用を負担する取り組みなども評価された。

 郡山福祉会は、施設内に健康ジムを整備し、利用状況に応じた表彰制度を創設して利用を促進している。健康アンケートや体組成計で個人の健康課題を明確化するなど、健康づくりの動機付けにつながる取り組みも行っている。

 大槻電気通信は、1日2回のラジオ体操や毎日の血圧測定に加え、帰宅が遅くなる従業員が早めに夕食を取れるよう夕食代を補助。生活習慣アンケートも行うなど、従業員の健康づくりにきめ細かく対応している。

 本県の健康指標を巡っては、心筋梗塞の死亡率が男女とも全国ワーストで、40~74歳を対象とした特定健診ではメタボリック症候群の割合が全国で3番目に高い。健康状態が悪い人は良い人より労働生産性の損失額が大きいというデータもあり、企業経営上でも従業員の健康づくりが重要となっている。