浜通り男女とも高く 2017年度・生活習慣病受診率、福島県公表

 

 県は6日、2017(平成29)年度の生活習慣病に伴う医療機関の県内受診率を初めて公表した。男女とも浜通りで高く、会津地方で低い傾向で、震災と原発事故の避難による生活環境の変化により、健康指標の悪化が目立つ現状を裏付ける内容となった。レセプト(診療報酬明細書)を六つの2次医療圏別に比較した。

 県民の74%に当たる市町村国保、協会けんぽ、後期高齢者医療保険に加入する約140万人のレセプトを匿名化。県と福島医大健康増進センターが「県版健康データベース」としてまとめ、医療圏別に医療費や受診状況を県全体と比べて高いか低いかを調査した。

 疾患別では、メタボリック症候群の診断基準に含まれる「高血圧性疾患」と食べ過ぎや運動不足などに起因する「2型糖尿病」が県中、県南、浜通りで高かった。これまで公表されてきた特定健診の分析結果とほぼ同じだった。死亡率が高い「急性心筋梗塞」は浜通りで高く、発症のリスクとなる疾患も高かった。

 一方、脳卒中に関連する「くも膜下出血」「脳内出血」「脳梗塞」の割合は、会津・南会津で脳内出血が高い傾向を示したものの、地域差や男女差は一定しなかった。医療費は県中、相双、いわきで高かった。

 ただ、現段階で詳しい発症要因などは分かっておらず、今後、健診や介護情報も加えた「医療ビッグデータ」を構築し、各データを組み合わせながら解析を進める。1年単位で継続分析し、地域ごとの健康課題を「見える化」しながら健康格差の縮小を図る狙い。

 具体的に県は、市町村の要望に応じて健康課題を分析。他地域との比較などを通し、地域特有の健康課題に対して科学的根拠に基づき助言。民間企業のノウハウも活用し健康寿命の延伸につながる取り組みを支援する。県健康づくり推進課は「健康指標の厳しさがレセプトからも明らかになった。データを基に、地域の特徴に応じた健康づくりに取り組む」としている。

 ◆「詳しく要因分析」 医大センター

 「県版健康データベース」で示された生活習慣病に伴う医療機関の受診率について、福島医大健康増進センターの細矢光亮センター長は「これまで保険者別・県別に公表された数多くの健康指標データと同様の傾向を示した」と分析する。

 県民の健康指標を巡っては、市町村国保のメタボリック症候群の割合や県民健康調査のデータなどから、浜通り住民への生活習慣病の影響が指摘されていた。震災と原発事故に伴う避難生活で食生活が変化し、運動不足なども背景にあるとみられ、細矢氏は「健診や介護データとひもづけながら要因を詳しく分析する」としている。

 具体的には、健診内容から危険因子となる生活習慣がなかったかどうかを把握。健診後に医療機関の受診に結び付いているかなども分析する方針。細矢氏は「地域の健康課題の見える化を進め、地域や職域などにフィードバックして健康課題の解決につなげてほしい」とする。その上で「県民一人一人が運動・食事などの生活習慣を見直し、健康増進に努めることが健康指標改善につながると意識してほしい」と呼び掛ける。