福島県民...脳血管疾患「6位」 死因別死亡率全国ワースト順位

 

 厚生労働省は5日、2019年の人口動態統計(概数)を発表した。死因別死亡率(人口10万人当たりの死亡数)をみると、本県は脳血管疾患の死亡率が全国ワースト6位となり、前年から三つ順位を下げた。心疾患はワースト8位(前年6位)、がんは15位(同13位)とやや順位を上げたものの、依然として全国下位にあり、県民の健康づくりに向けた長期的な対策が必要となっている。

 本県の10万人当たりの死亡率は高い順にがんの340.4人(前年比2.0人増)、心疾患の218.5人(同0.4人減)、脳血管疾患の122.0人(同0.7人増)。がんの内訳をみると、気管・気管支・肺の割合が19.4%と最も高く、胃が12.5%、結腸が10.1%の順。心疾患で最多は心不全の38.2%で、脳血管疾患は脳梗塞が61.6%を占めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などが健康指標に与える影響も懸念される。県は「東日本大震災後も健康指標が悪化したが、特に高齢者には影響が出やすい傾向がある」(健康づくり推進課)と指摘。自宅でできる介護予防体操を県のホームページで公開するなど、悪化に歯止めをかけたい考えだ。

 19年の死亡数は前年比259人増の2万5006人。人口1000人当たりの死亡率は前年比0.3ポイント増の13.7で、全国順位は前年と同じく13番目に高かった。

 死亡率が高い状況が続く中、県はさまざまな角度からの長期的な健康増進の取り組みを続ける必要があるとして「ふくしま健民アプリ」を使った運動習慣の定着や、野菜から先に食べることで急激な血糖値の上昇を避ける「ベジファースト」運動などを通じて県民の健康改善を目指す方針。

 県健康づくり推進課の担当者は「健民アプリでは3密を避けながら仮想世界のさまざまなコースを散歩できる。外出しにくい日々が続いたが、日常の運動習慣に取り入れてほしい」と呼び掛けている。

 県は16年度から「健康」をテーマにした県民運動を継続している。