知事賞に郡山・陰山建設 健康経営優良事業所、162事業所認定

 
献血活動に協力する社員ら=陰山建設

 県は、従業員の健康増進に取り組む「健康経営」の本年度優良事業所に162事業所を認定した。健康経営意識の高まりで認定数は昨年度から64社増えた。特に優れた3社も選び、最高賞の知事賞に陰山建設(郡山市)、最高賞に次ぐ福島民友新聞社賞に大丸工務店(福島市)、福島民報社賞には若松ガス(会津若松市)が輝いた。

 表彰式は12月22日、福島市で行われる。優良事業所の認定・表彰制度は3年目。認定数は初年度が35事業所、2年目が98事業所と年々増加している。認定期間は2年間。初年度に認定を受けて本年度再認定を受けた事業所は25社だった。県は、各事業所が健康経営の取り組みに興味を持ち活動が浸透している成果と分析しており、周知を続けさらなる増加につなげたい考えだ。

 陰山建設は、独自組織の育英会を設立し、従業員の安心感を醸成。被災地でのボランティア活動や毎年恒例の「愛の献血活動」などの社会貢献活動を通した従業員の心身の健康づくりを進めている。定時のラジオ体操や血圧測定などの活動も評価された。

 大丸工務店は、独自の健康アンケートで従業員の健康課題を明確化。全従業員に人間ドックを受診させ費用を全額負担している。新型コロナウイルスの感染防止では、現場マニュアルを策定するなど下請け企業も含めた対策に取り組む。

 若松ガスは、スポーツジムの利用補助やメンタルヘルス講習会の開催に加え、健康増進の取り組みに応じた褒賞制度を設けるなど自主的な健康づくりを推進する。従業員の食習慣改善や運動不足解消を進めるなども実践している。

 健康状態が悪い人は良い人に比べ労働生産性の損失額が大きいという研究データもあり、健康経営は企業の持続的な発展に不可欠とされる。県は表彰制度を通して健康経営の必要性を伝え、企業トップの意識改革を図る方針。