健康経営「ヒトが一番大事」 優良企業表彰、3社代表事例紹介

 
健康経営の取り組みが認められ内堀知事(左から3人目)から表彰を受けた(左から)大和田社長、陰山社長、小山社長

 従業員の健康づくりを進める「健康経営」事業所を表彰する県の制度で、県は22日、特に優れた3事業所への表彰式を福島市で行った。最高賞の知事賞に輝いた陰山建設(郡山市)や、最高賞に次ぐ福島民友新聞社賞の大丸工務店(福島市)、福島民報社賞の若松ガス(会津若松市)の取り組みをたたえた。

 内堀雅雄知事や福島民友新聞社の中川俊哉社長らが各社の社長に賞状を手渡した。内堀知事は「職場の感染症防止対策の徹底と、新しい生活様式に即した健康づくりが重要になっている」とあいさつ。中川社長は三つの経営資源「ヒト・モノ・カネ」に触れ「ヒトが一番大事。ヒトが生き生きと働き、私生活が充実することで企業は発展する。健康経営に磨きを掛けてほしい」と述べた。

 陰山建設は、被災地でのボランティア活動や毎年恒例の「愛の献血活動」など、社会貢献活動を通した心身の健康づくりを進めている。大丸工務店は、独自の健康アンケートで従業員の健康課題を明確化。全従業員の人間ドック代を負担している。若松ガスは、スポーツジムの利用補助に加え健康増進の取り組みに応じた褒賞制度を設けている。

 表彰制度は今年で3年目。県は本年度、健康経営の優良事業所として昨年度から64社多い162事業所を認定した。

 感染対策、工夫や意識改革

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う食生活の乱れや運動不足で将来の生活習慣病が懸念されている。受賞3社と内堀知事、福島民友新聞社の中川社長らは表彰式後に会談、「新しい生活様式」を踏まえた健康づくりに意見を交わした。

 陰山建設の陰山正弘社長は、受賞を受けて月1万円を健康手当として給与に充てたことや、従業員が禁煙外来を受診する際の費用の全額負担を決めたことを説明。「健康にまい進していく」と強い決意を示した。

 大丸工務店の大和田知昭社長は、現場の意識改革を図った上で「従業員にマスクとアルコール除菌を徹底させた」と、基本的な予防策の重要性を訴えた。若松ガスの小山征弘社長は「(ガス供給を)交代制にすることで、万一感染者が出てもカバーできる」と紹介した。

 中川社長は「ウィズコロナの時代に感染者や医療従事者に対する『コロナ差別』をなくし、お互いが励まし合う社会をつくる必要がある」と指摘した。