県民健康指標「低迷」 死因別死亡率、脳血管疾患ワースト6位

 

 厚生労働省がまとめた2020年人口動態統計(概数)によると、本県の死因別死亡率(人口10万人当たりの死亡数)のうち、脳血管疾患の死亡率は都道府県別で前年と同じ全国ワースト6位だった。がんはワースト15位から14位に悪化、心疾患は順位を三つ下げてワースト11位に改善したが、いずれも全国下位にとどまる。健康づくりがテーマの県民運動を展開する県は、改善が進まない現状を踏まえ「減塩など食生活の改善や運動不足の解消、受動喫煙防止など長期的な取り組みが重要」としている。

 高い順にがんの345.6人(前年比5.2人増)、心疾患の211.9人(同6.6人減)で、老衰に次ぐ4番目が脳血管疾患の119.5人(同2.5人減)だった。がんの内訳をみると、気管・気管支・肺の割合が18.8%と最も高、胃の11.8%、結腸の10.2%と続いた。心疾患のうち最も多かったのは心不全の38.5%で、急性心筋梗塞は19.8%、不整脈・伝導障害は17.0%だった。

 県によると、健康に関する指標のうち、メタボリック症候群に該当する県民の割合は高く、近年全国ワースト4位以内で推移している。東日本大震災が発生した2011(平成23)年は14位だったが、東京電力福島第1原発事故に伴う運動不足などの影響で13年以降急激に悪化した。

 県が健康づくりの県民運動をスタートさせたのが16年度で、本年度から5カ年で県民運動を継続。健康指標改善へスマートフォン向けの「健民アプリ」の活用や、減塩など食生活の改善を啓発する取り組みを進める。さらに本年度は、指標が悪化する相双地区で市町村が取り組む健康事業の支援を強化する方針で、「市町村の要望に対応したオーダーメード的支援を講じることで、県全体の健康指標改善につなげたい」としている。