福島県メタボ率「最悪」18.4% 全国ワースト4位、ネット啓発を強化

 

 特定健診でメタボリック症候群に該当した県民の割合(メタボ率、2019年度)が18.4%に上り、前年度から0.3ポイント増え統計の残る2008年度以降の過去最悪を更新した。都道府県別では前年度と変わらずワースト4位だった。20年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う運動不足などでさらなる悪化が懸念され、県は働き盛り世代を中心にインターネットを活用した啓発を強化している。

 県によると、県内のメタボ率は東日本大震災、東京電力福島第1原発事故後の12年度に16.3%となり、前年度のワースト10位から同4位と急激に悪化した。原発事故で県民が外出を控えたことが影響したとみられ、改善が進んでいない。

 メタボ率は、厚生労働省が特定健診の結果を基にまとめた。特定健診は40~74歳の男女が対象で、県内では19年度に45万6475人が受診し、メタボ該当者は8万4194人だった。メタボ率のワーストは沖縄県の20.0%で、2位は秋田県の19.0%、3位は宮城県の18.7%。全国平均は15.9%で、前年度から0.4ポイント悪化した。

 県内受診者のうち、メタボの診断基準に迫る「予備群」の割合は12.8%で全国ワースト7位、該当者との合計は31.2%でワースト3位だった。

 県によると、メタボは心疾患や糖尿などにつながるリスクがある。食生活や運動不足などが原因とされており、県は16年度にスタートした健康をテーマにした県民運動を本年度以降も継続する。コロナ禍でメタボ化が進む懸念もあり、県は県民の外出機会の減少傾向も踏まえ、動画投稿サイト「ユーチューブ」に運動動画を掲載、福島医大と連携した健康に関する動画の投稿も予定している。

 一方、19年度の特定健診の受診率は18年度から0.9ポイント上昇の54.7%で全国23位。特定健診は疾患の早期発見につながることから、県は受診率向上へ呼び掛けを続けているが、新型コロナの影響で受診率が低下する可能性がある。

 県はメタボ解消を含めた健康づくりに向け県民の健康に対する「気付き」「実行」「継続」の各段階に応じて支援している。ただ、県民の取り組みの継続性が課題となっており、県は「県民一人一人が自分事として、生活習慣の見直しを習慣化していくことが改善への鍵になる」(健康づくり推進課)としている。