福島県健康計画達成19% 目標の108項目中、最終報告に課題反映

 

 福島県は5日、2023年度で計画期間が終了する、県民の健康づくりの指針となる「第2次健康ふくしま21計画」の目標項目を達成できたかどうかを示す最終評価の素案を示した。評価可能な目標108項目のうち、目標値のおおむね8割以上を達成したのは21項目と全体の19%にとどまった。計画策定の13年時点から改善傾向がみられた項目もあったが、県民の健康づくりが進まない現状が改めて浮き彫りとなった。

 福島市で同日開いた健康ふくしま21評価検討会で素案を説明した。県は、委員の意見を聞き取るなどして来年1月までに有識者らの意見を踏まえた最終報告をまとめ、次期計画に反映させる課題を洗い出す方針。

 県によると、素案には10月に結果が出る調査を踏まえて数値に反映させる項目が50以上あるが、傾向に大きな変動はない見込み。108項目は〈1〉健康寿命の延伸と健康格差の縮小〈2〉生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底〈3〉社会生活を営むために必要な機能の維持・向上〈4〉健康を支え、守るための社会環境の整備〈5〉健康に関する生活習慣・社会環境の改善〈6〉東日本大震災・原子力災害の影響に配慮した健康づくり―の6分野に分けて評価される。

 素案では達成率に応じて10割以上(A)、おおむね8割以上10割未満(B)、5割以上8割未満(C)、5割未満(D)の4段階で評価。県や国の調査などを基に、計画に設定した目標値に対する達成率を算出した結果、Aは10項目、Bは11項目、Cは27項目、Dは60項目となった。

 がん検診の受診率の向上やメタボリックシンドローム該当者・予備群の減少など、本県が課題とする健康指標に関わる項目はD評価が目立った。喫煙率は男女合計で12%まで減少させるとの目標に対して16.3%(21年時点)と、C評価。生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合は男女ともD評価だった。

 一方、健康寿命の延伸はA評価で、男性が目標値の71.74歳に対し72.28歳(19年時点)、女性は75.32歳に対し75.37歳(同)。このほか、介護保険の要介護に該当する高齢者の割合増加の抑制などもA評価だった。