子どもの歯の健康

 

 生涯にわたる基礎づくり

 最近、幼稚園や小学校の歯科健診に行くと、むし歯予防の意識が高まってきたためか、以前に比べむし歯の数が減少してきたことを実感します。しかし、国際保健機関(WHO)の調査によると、12歳児のむし歯の数は、他の先進諸国に比べるとかなり多いのが現状です。

 むし歯になるといろいろと困ったことになります。乳歯の場合、食べ物がよくかめなくなるため偏食になりやすく、前歯がなくなると発音にも影響が出てきます。

 さらに重要なのは、乳歯にはすぐ下で成長している永久歯を正しい場所に誘導する働きもあります。そのため、早い時期になくなると隣の歯が寄ってきて永久歯が正しい場所に出ることができず、歯並びに影響が出ることもあります。

 子供の永久歯は、まだ表面が柔らかいのですぐにむし歯になりやすく、特に最初に生えてくる永久歯(6歳臼歯)は、一番奥の乳歯のさらに後ろに生えてくるため、生え始めは歯ブラシが届きにくく溝も深いため汚れがたまりやすいので注意が必要です。

 むし歯は「歯質」と「糖」「糖を分解するむし歯菌」そして「時間の経過」が重なることによって作られます。つまり、むし歯の予防には、フッ化物などを応用して歯質を強化し、間食やだらだら食べをしないなど食生活の改善、そして正しい歯磨きによる歯垢(しこう)の除去が有効となります。子供の歯の健康は、生涯の歯の健康づくりの基礎となります。ご家庭でのむし歯予防はもとより、歯科医院での定期健診やむし歯予防のよりよいアドバイスを受けるようにしましょう。

(県歯科医師会)