口唇口蓋裂

 

 系統的な治療が必要に

 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)とは、唇(口唇)や口の中の上ぶたの部分(口蓋)に裂ができる病気です。500人に1人の割合で生まれるといわれています。

 以前は、裂を閉じるだけの治療が主でしたが、現在はさまざまな職種が連携しながら治療に当たっています。その結果、審美的(見た目)な完成度も高くなり、リハビリメーク(一連の治療終了後の専門的な化粧)により、瘢痕(はんこん=傷あと)も分からないほどになっています。

 治療は裂の程度によってさまざまですが、一般的な流れは、以下の通りです。生後半年ぐらいに口唇裂の手術。生後2年前後で口蓋裂の手術。言語を獲得する時期から言語治療。齲蝕(うしょく=虫歯)などの管理を小児歯科で行い、歯列不正が生じた場合には混合歯列の時期(乳歯と永久歯が混在している時期)から矯正歯科(歯並びの治療)。永久歯に生え替わり、歯の足りない部分の補綴(ほてつ)処置(さし歯やブリッジなど)。その間、適宜、形成外科や口腔(こうくう)外科で修正手術が行われます。

 治療は生後直後から成人するまで継続的に行われるため、最も重要なのは中断しないことです。そのためには、かかりつけの歯科医院を持ち、病院歯科口腔外科などで一貫した治療のマネジメントを受けることが必要です。

(県歯科医師会)