唾液の役割

 

 食事や会話をスムーズに

 口がパサつくような感じがすると、とても気になるものです。これは舌や口の周りの筋肉が痩せて唾液を押し出せなかったり、持病による薬を長期間にわたって服用していることによる副作用など、さまざまな原因によって起きています。

 中高年のころから、特に男性よりも更年期以降の女性に多いのが特徴です。女性ホルモンが減ることに加え、個人差はありますが、女性の方が唾液を分泌する唾液腺が一般的に小さいこともいくらか影響しているのかもしれません。

 口の中の唾液が減ると、たちまち困ったことが起きます。唾液は驚くほど、さまざまな役割を担っているからです。

 例えば、唾液で粘膜が潤されるおかげで物をかんだり、スムーズに話したりすることができます。また、唾液で食べ物が湿るおかげで、かみやすく、のみ込みやすくなり、食べ物の味物質を唾液が溶かし、そのおいしさをじっくり感じることができます。

 さらに、食べかすを洗い流して口の中をきれいにしてくれる上、唾液の抗菌物質がばい菌の活動を抑えることで、酸とアルカリを中和し、初期のむし歯を修復して歯を守るという重要な役割も果たしています。

 唾液の分泌不足の原因はさまざまですが、一般的には唾液腺を刺激するマッサージや口唇を突出したり口角を左右に引き、舌先で左右の口角や下唇をなめるような動きの口腔(こうくう)体操で改善できることが多いようです。
 気になる方は、一度ご相談ください。(県歯科医師会)