根の治療中断のリスク

 

痛み治まっても治療必要

 歯科治療は治療内容や症状によって、どうしても通院回数が増えてしまうことがありますが、治療を中断してしまうとさまざまなデメリットが生じてしまい、かえって治療期間が長くなってしまう場合があります。今回は複数回の通院が必要となることが多く、中断すると後にトラブルとなりやすい歯の根の治療(根管(こんかん)治療)について書いてみたいと思います。

 むし歯が進行して歯の中の神経が炎症を起こしていると考えられる場合や、根の先端が化膿している場合などに根管治療を行います。治療内容としては根管内を拡大して原因の除去を行い、消毒を行います。ここで痛みが治まった後も根管内に薬を入れて消毒を数回繰り返します。根管内がきれいになったことを確認して充填(じゅうてん)処置を行い、根管治療が終了します。

 症状や根の形によっては治療が困難な場合もあるため長期にわたることもありますが、痛みが治まったからといって中断してしまうと症状が再発した場合に悪化していることが多いので気をつけましょう。

 ただし、仕事や家庭の事情でどうしても通院間隔が空いてしまう場合もあると思います。その場合には、早めに担当の先生と相談してください。次回の来院予定日が分かっていれば、医師は状況に応じて根の治療の薬剤や材料を選択することができるため、トラブルを未然に防ぐことにつながります。(県歯科医師会)