「オーラルフレイル」 進行すると要介護に

 

 最近、オーラルフレイルという言葉が急速に広がっています。フレイルとは体が弱っている状態をいいます。早い時期に改善策を取れば元に戻る可能性が高いといわれています。

 高齢者においては特にフレイルが発症しやすいことが分かっており、要介護状態の多くは、このフレイルを経て進行します。

 オーラルフレイルとは「歯や口の機能の脆弱(ぜいじゃく)(口腔(こうくう)機能の低下)」という意味で、以下のように進行していきます。口腔に関する興味が失われ、口腔清掃を怠るようになると、むし歯や歯周病になります。放っておくと歯を喪失し、咀嚼(そしゃく)能力が低下するだけではなく、周囲の筋肉の機能も悪くなります。

 食事ができなくなって摂食嚥下(えんげ)機能障害が進行し、栄養状態は悪くなり、全身の抵抗力も減少し、要介護状態へと進行します。こうならないためには、ご近所の方との付き合いや、誰かと一緒に食事をするなどといった社会性を上げ、バランスの良い食事や歯、口の定期的な管理に興味を持つことが重要となります。

 オーラルフレイルを予防することは、高齢者が抱えるさまざまな問題を予防することになるのです。口腔管理に対するモチベーションを上げ、歯科疾患の早期発見、早期治療を心掛け、継続した口腔管理をしっかりと行いましょう。 

(県歯科医師会)