「口腔健康管理」 専門的処置と自己ケア

 

 最近、口腔(こうくう)ケアという言葉をよく聞くようになりました。口腔ケアは健康を維持するために必須で、さまざまな全身疾患の予防や軽減につながります。しかし、口腔ケアという言葉は極めてあいまいで、最近は「口腔健康管理」という言葉が使われるようになりました。

 口腔健康管理は、口腔機能管理、口腔衛生管理、口腔ケアの三つに分かれ、口腔に関するさまざまな管理を整理しています。口腔機能管理とはむし歯や歯周病の治療を通して機能を維持することを指し、抜歯を含む治療後の差し歯や入れ歯の作製、さらには摂食嚥下(えんげ)機能に対するリハビリなどが該当します。

 口腔衛生管理はこれらの治療により、改善した口腔内の細菌のバランスをコントロールすることが主たる管理となります。口腔内の細菌は、善玉菌と悪玉菌のバランスで成り立っています。そのバランスが崩れることにより、さまざまな全身疾患にもつながっていることが分かっています。それを予防するためには患者さん本人だけのケアでは不十分なため、専門的な管理が必要となります。

 もちろん患者さん自身の管理も重要で、歯科医院などでの指導のもとに歯ブラシなどを使う口腔清拭(せいしき)、入れ歯の管理、さらには摂食嚥下体操や唾液腺マッサージなどを正しく行うことを口腔ケアと呼ぶようになりました。

 (県歯科医師会)