「出血原因、歯肉の腫れ」 歯の汚れ除去で改善

 

 「血液サラサラの薬を飲んでいるのですが大丈夫でしょうか」。こういった質問を患者さんからよく受けます。これをお読みの方々もバイアスピリンやシロスタゾールなどを内服されている方もいらっしゃると思います。出血したら止血が難しい、あるいはできないことを心配されているようですが、むしろ「歯肉から血が出るので歯磨きは軽くしています」という方のほうが大きな問題です。

 歯肉の出血は大抵、歯周病で歯肉が腫れ、その腫れた部分を刺激することで引き起こされます。歯周病の歯肉は赤黒く腫れ、少し触れただけで容易に出血します。こうなると出血を恐れて歯磨きはおっかなびっくりとなり、歯の表面に汚れが停滞し、歯肉の腫れはいつまでたっても収まらず、歯を磨くたびに出血が続くという悪循環に陥ります。

 この悪循環を断ち切るには歯科医院に通い、歯周病をコントロールすることが大切です。正しい歯ブラシの方法を習熟し、歯肉の腫れの原因である歯の汚れを歯科医院で取り除きます。そうすることで歯周病をコントロールでき、赤黒い歯肉が健康的な薄いピンクに改善し、簡単に出血することはなくなります。

 もちろん歯肉の出血が収まらないことで白血病などの血液疾患が見つかることもありますから油断は禁物です。口腔(こうくう)内に異常があるときには歯科医院でご相談ください。

 (県歯科医師会)