「フッ化物配合歯磨き剤」 使用後、うがい1度だけ

 

 フッ化物配合の歯磨き剤は、幼児から高齢者まで生涯を通じて簡便に使用できる身近なむし歯予防法の一つです。予防率調査では30~40%という報告が多く、成人・高齢者の根面むし歯には67%の予防効果が報告されています。

 この予防メカニズムは歯磨き終了後、歯面、歯垢(しこう)、粘膜、唾液などの口腔(こうくう)環境に保持されたフッ化物イオンによる再石灰化と酸産生抑制効果とされています。しかし、その効果は使用するフッ化物の応用量、作用時間、洗口回数、方法などによって大きく左右することが予測されます。

 有効な使用法は〈1〉年齢に応じた適切な使用量〈2〉歯磨き後は少量の水(10~15ミリリットル)で5秒間のうがいを1度だけ行う〈3〉うがい後は1~2時間程度飲食を控える―などがあります。

 これらを踏まえた上でフッ化物配合歯磨き剤の選び方ですが、フッ化物イオンの濃度に注目しましょう。日本では上限が1500ppmなので、成人では1450ppm程度配合されたものを選択するとよいでしょう。注意が必要なのは小児への使用です。成人に比べて低濃度、低用量で使用することが推奨されています。購入の際は商品の説明書を確認しましょう。

 以上のようにフッ化物配合歯磨き剤は気軽に使用できるむし歯予防法ですが、使用法を誤ると効果が薄れてしまいます。正しく使用し、大切な歯を守りましょう。

 (県歯科医師会)