「口腔がんの病期」 小さくても深さに注意

 

 どこの場所にできるがんにも病期(ステージ)があります。病期とは単純に言うと進行度のことです。ただ、いくつかの要素があり、その進行度が治りやすい、治りにくいを単純に示しているとは限りません。口腔(こうくう)がんの病期が、他の部位のがんとかけ離れているわけではありませんが、その特徴について説明したいと思います。

 がんの病期は大きく三つのカテゴリーからなります。一つ目は大きさ、二つ目は関連するリンパ節への転移、三つ目は離れているところへの転移です。離れている臓器に転移があると、その部位と大きさにもよりますが、進行していると判断できます。関連するリンパ節への転移は小さいものより大きいもの、少ないものより多いもの、同じ側ではなく反対側にも転移があるものの方が治りにくいとされています。

 最も厄介なのは主病巣の大きさです。以前は単純に長径の大きさで区分けされていましたが、最近その基準が変わり、深さも加えられるようになりました。大きければ進行しているのですが、大きくなくても深さがあると治りづらくなります。小さくて深いタイプのものは気が付きにくく、進行してから見つかる場合も少なくありません。

 口の中にできた治りにくい粘膜の異常は大きさだけではなく、深さ(硬さ)にも気を付けましょう。

 (県歯科医師会)