「歯科のPCR」 歯垢除去、感染予防の一助

 

 新型コロナウイルスの影響で「PCR検査」という言葉を毎日のように耳にするようになりました。

 これは「ポリメラーゼ連鎖反応」の略ですが、歯科では同じくアルファベットで「PCR」と略する検査があります。「プラークコントロールレコード」というもので、細菌のかたまりである歯垢(しこう)(プラーク)を赤く染め出し、染まった部位の割合を数字で表すものです。

 1本の歯を四つの面に分けて、歯の本数×4を100%とし、何%の歯の面に歯垢が付着しているかを算定して評価します。

 むし歯や歯周病は細菌による感染症ですが、丁寧な歯磨きによって、口の中の細菌を減らすことができます。

 また、口の中の細菌が出す酵素によってインフルエンザウイルスなどが体の粘膜に入り込みやすくなることが知られており、ウイルス感染予防の観点からも口の中の歯垢を除去することは大事だとされています。

 新型コロナウイルスはまだ分からないことが多く、歯磨きで新型コロナの感染を予防できるとまでは言えませんが、全身の健康を保つために口の清掃状態を良好に保つことはとても重要です。

 歯科でPCR(プラークコントロールレコード)を調べてもらったら、適切な歯磨き指導を受け、健康のためにぜひお役立てください。

 (県歯科医師会)