「コロナ後の歯科」 定期的通院、より大切に

 

 県内では新型コロナウイルス感染症の広まりも落ち着き、少しずつ日常が戻りつつありますが、医療現場では以前にも増してさまざまな場面で、感染予防の徹底が求められるようになっています。

 全国の歯科医院でも感染予防のために、待合室などでの密集を避ける手だてとして予約患者数の抑制、同じ時間帯での並列診療や患者重複の回避など、以前とは異なった診療体制が求められています。そのような歯科医療の供給体制下で問題となるのが、急に来院される患者さんです。

 現在、大多数の歯科医院は予約制で診療を行っています。痛みが出た、腫れたからと患者さんが急患として来院しても、以前なら少し待ってもらうことはあっても予約の患者さんの間に詰め込んで診察することが可能でした。しかし今は新型コロナウイルス感染症の予防の観点から、そういった急患対応は取りにくくなっています。「痛みが出たから診てほしい」と言っても、歯科医院ですぐに対応できるとは限らないのです。

 そのため、これからの時代は急に痛みが出たり腫れたりしてから歯科医院を受診するのではなく、定期的に予防に通うことが求められます。予防なら予約をして歯科医院を受診できます。何かあってから歯科医院を受診するのではなく予防のために通う。それがこれからの歯科医院受診のあり方といえるでしょう。

 (県歯科医師会)