「詰め物・かぶせ物」 外れたら持参し受診

 

 むし歯により歯を削った後の処置法として歯の機能や形態を回復するため、金属の詰め物(インレー)やかぶせ物(クラウン)などの修復物を製作し、歯に接着剤(セメント)で付ける方法があります。しかしそれらの修復物は、その後非常に過酷な環境にさらされることになります。

 歯に接着した修復物は口の中で常に唾液につかり、氷を食べれば5度程度に冷やされて収縮し、熱いお茶を飲めば60度ほどに温められてわずかに膨張します。さらに物をかむことにより数十キロに及ぶ力が加えられます。

 その結果、接着剤はミクロ的にだんだんとはがれ、修復物が歯から外れてしまう場合があります。ほかにも修復物の周囲がむし歯(二次カリエス)になれば、外れてしまうこともあります。

 歯科医師は少しでも外れにくく工夫を施しますが、絶対に取れない修復物はありません。もし修復物が外れてしまった場合は取れた物を捨てずに、かかりつけの歯科医院に持って行きましょう。問題がなければそのまま付けることができます。

 または、むし歯で取れたものや、何回も外れてしまう時には、再治療が必要となる場合もあります。間違っても自ら市販の接着剤を使って付けることのないようにしましょう。かかりつけの歯科医院によく診断してもらい、適切な処置を受けてください。

 (県歯科医師会)