「歯ぎしり」 マウスピースで接触防ぐ

 

 就寝時に歯ぎしりを指摘されたことはありますか。かなり大きな不快な音が出ますよね。歯ぎしりが起こるメカニズムは分かってはいませんが、ストレスに関連していると考えられています。実際、大きな仕事を抱えていたり、受験前や生活環境の変化をはじめ、強い緊張や不安を感じたときなどに歯ぎしりが多くみられるといわれています。

 歯ぎしりは、食べているときのように歯と歯の間に物が介在せずに、上下の歯が直接接触し力がかかる動きです。就寝時、無意識に起こります。通常リラックスしている場合は、上下の歯の間には2~3ミリ程度の隙間があり、これを安静空隙といいます。つまり、食事以外で歯が直接触れ合う時間は案外少ないのです。

 歯ぎしりにはどんな問題があるのでしょうか。強い力で上下の歯が接触するため、大きな音が出るのと同時に歯が削れてしまいます。このほか銀歯や詰め物が取れる、歯が欠ける、歯の根が折れる、歯周病が進行しやすい、歯が脱落するなどさまざまな問題が生じます。起床時の顎の疲労感、痛みも歯ぎしりが原因の場合があります。

 このような症状がみられる場合には、マウスピースを装着して上下の歯が直接接触するのを防ぐという対処法があります。いずれにしても家族から歯ぎしりを指摘されたときは、歯科で相談することをお勧めします。

(県歯科医師会)