「小顔ってかわいい?」 小さい顎、歯並びに影響

 

 小顔がうらやましい」とよく耳にしますが、本当にそうでしょうか? もちろん、体全体のバランスから顔が大きく見えたり小さく見えたりするため、一概に小顔が悪いとは言えません。ですが、そこには大きな落とし穴があります。一般的に小顔であれば、顎も小さいと考えることもできるのです。そして顎が小さいと、「叢生(そうせい)」という現象を引き起こす可能性を高めてしまいます。

 叢生とは、歯と歯が重なって生えてきてしまう、歯並びが悪い状態と理解していただければいいでしょう。顎が小さいと、永久歯(大人の歯)が生える場所が狭くなるため、叢生が起きやすくなります。例えば、3人掛けの椅子に5人が同時に座ろうとしたらどうでしょう? 誰かが座れなかったり、全員が座れたとしても、姿勢を変える必要が生じるでしょう。顎を椅子、永久歯を座ろうとする人にそれぞれ置き換えてみたら、歯並びがどうなるか想像できると思います。

 叢生の状態では歯磨きが難しく、むし歯になりやすくなってしまいます。このほか、歯のかみ合わせがうまくいかないことで、全身にさまざまな不調が生じやすくなるといわれています。「うちの子、顔が小さくてかわいい!」と思う前に、永久歯が生えるだけの顎が成長しているか、歯科医院で診てもらうのも良いでしょう。
 (県歯科医師会)