「免疫力高める歯磨き」 口腔ケアで感染症予防

 

 手洗いやうがい、マスクの着用はウイルス感染予防の基本です。歯磨きなどの口腔(こうくう)ケアがインフルエンザの感染リスクを下げることは立証されています。よって、新型コロナウイルスにもその効果が期待でき、重症化の軽減が見込まれると考えられています。

 免疫力が高ければウイルスや細菌などに対抗して体を守ってくれます。免疫力を高める方法のひとつとして、口腔ケアがあります。なぜ、口腔ケアに感染予防効果があるのか? 歯に付着している汚れ(プラーク)は細菌の塊のようなものです。

 歯ブラシによる汚れの除去率はおよそ65~70%ほどで、毛先の入るところまでに限られてしまいます。歯と歯の間に残る汚れの除去は、歯科でのクリーニングによるところが大きいのです。歯周病のある方の重症化率も5.6倍ほどあるとされ、死亡率のリスクは8.8倍となっています。

 また、舌の表面には舌苔(ぜったい)と呼ばれる汚れが付着しています。舌苔は、口臭の原因にもなるものです。口腔内の細菌を減らして、口腔内の免疫システムをしっかりと起動させることが大切です。普段の歯磨きだけではなく定期的に歯石の除去やPMTCなどのクリーニングを受けることで歯周病やむし歯の進行を抑えられます。

 風邪や感染症などに負けない体づくりをするため、まずは簡単な口腔ケア、正しい歯磨きから始め、口腔内の細菌を除去し、免疫力を高めていきましょう。

 (県歯科医師会)