「唾液にむし歯予防効果」 口の潤い、鼻呼吸で保つ

 

 お肌の乾燥は美容の敵であり、「潤い成分配合」といった商品のテレビCMをよく目にすると思います。実は、お口の乾燥も健康の敵となり得ます。

 口の中の乾燥を防いでいるのは唾液です。唾液にはむし歯予防のほか食べ物を軟らかくしたり、ひとかたまりにしてのみ込みやすくする効果などがあります。唾液の量には個人差があり、たくさん出る人もいれば、加齢や全身疾患、薬の副作用などにより少ない人もいます。

 そのため、唾液が少ないとむし歯になりやすくなり、食べ物がうまくのみ込めなくなったりします。十分な栄養が取れないと、体の調子も崩れます。口の乾燥は全身に影響を及ぼす可能性があるため、口の中の潤いは重要なのです。

 口の乾燥を予防する一番簡単な方法は鼻呼吸です。皆さん懸命に鼻から呼吸しようと口を閉じがちですが、あまり口を閉じることを意識し過ぎないようにしましょう。口を閉じようと意識するあまり、食いしばってしまう可能性があります。上唇と下唇が軽く触れる程度で十分です。

 鼻炎などで鼻づまりの症状がある人は、耳鼻科の先生に相談してみるのも良いと思います。鼻呼吸をいきなり完璧にこなすのは難しい人もいますので、徐々に習慣化できるよう意識して生活してみるのもおすすめです。(県歯科医師会)