「かかりつけ歯科医」 中長期ケアで疾患防ぐ

 

 歯科の疾患は突発的な症状もありますが、生活習慣により発症することが多いです。口腔(こうくう)内の生活習慣病の代表格として歯周病が挙げられます。歯周病は短期で完治するものではなく、日々の継続的なメンテナンスが必要な慢性疾患です。

 そのため、過去の状況から現在の状態を診査・診断し、メンテナンスの計画を立案することが重要です。一時的な通院ではそうした細やかな配慮は難しいといわざるを得ません。「かかりつけ歯科医」を持つことで、中長期的な口腔内の健康が維持できると期待されています。

 「かかりつけ歯科医」を持っている患者さんの特徴は、口腔内のセルフケア意識が高く、歯垢(しこう)の付着率が低いことです。これはご自身の口腔内への関心が高いことを示しており、失う歯の本数が減るのにつながります。つまりご自身の歯でよく咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)ができているということです(消化器系の負担軽減)。

 歯数と寿命は比例するというデータも立証されています。口腔ケアの意識が高いと、むし歯の原因となる甘味食品を控え、栄養バランスの良い食品をよく噛(か)んで食べるようになり、おのずとQOL(生活の質)を高めることにつながります。歯科医は痛くなってから探せばいいと考えず、ぜひ「かかりつけ歯科医」を持つことを検討してください。

 (県歯科医師会)